「バジュランギおじさんと、小さな迷子」
なんだかんだしばらくサボっているうちになんと三ヶ月近くたっていました…!
今年はできるだけ毎日更新していきたいものです(時すでに遅し、これから頑張ります!)
というわけで今回感想を書くのはこのブログでは初めてのボリウッド映画「バジュランギおじさんと小さな迷子」になります。
【あらすじ】
6歳のパキスタン人の少女シャヒーダーは、生まれつき言葉を発することが出来ない。コミュニケーションが取りづらいのもさることながら、お茶目で好奇心も強いシャヒーダーは危ない目に合うこともあり、そんな際に助けを求めることも出来ないので危険極まりない。心配した母親は、村の老人のアドバイスに従い、インドはデリーの聖廟へ「シャヒーダーが話せるようになりますように」とお祈りに行くことに。
その帰り道、インドとパキスタンの国境手前(インド側)で、シャヒーダーは窓から見つけたヤギを追って停車中の電車から降りてしまう。その際眠っていた母親は目が覚めて娘の姿が見えないことに気がつき慌てて探すが、すでに電車は動き出しており国境を越えてパキスタンに入ってしまう。これではビザが無ければ探しに行くこともできない…。
その頃シャヒーダーは母親の乗った列車を追いかけるつもりで貨物列車の荷台に潜り込むが、その列車は途中で折り返し更にパキスタンから遠ざかってしまう。目を覚まして全く見知らぬ土地で目が覚めたことに気がついたシャヒーダーは当て所なく彷徨ううちにハヌマーンを信仰するインド人のパワン(通称:バジュランギ)と出会い、助けを求める。
年齢、性別、国、宗教、文化が全て違う、名前もわからない、そして言葉すら通じない、まさに「犬のおまわりさん状態」な2人による、母親探しのロードムービーが始まるのであった…!
【感想】
というお話。
ほとんどなんの前情報もなかっまので、なんとなくポスターの雰囲気やタイトルから「ペーパームーン」や「ローガン」みたいなアウトローと少女が旅をしながら交流を深めて行く感じの映画かな、だとしたら大好きだ!と意気込んで観にいきました。
結論から言うと全然違いました!
なんせ主人公であるパワンがアウトローでもなんでもない!真面目、糞真面目!
作中のとある事情により正規のルートでパキスタンに入国することが出来なくなり、止むを得ず不法入国することになるのですが、ここでパワンの糞真面目さが仇となるw
なんせ熱心なハヌマーン信者の彼は「嘘をつかない、こそこそしない」が信条なのです。
敵味方問わず周りの大人も、6歳のシャヒーダーすらあきれ返る馬鹿正直っぷり!
警官「おまえ、インド人か?」
シャヒーダー「(首を振って『パキスタン人だと言って!』とアピール)」
パワン「はい」
シャヒーダー「(『あっちゃぁ〜』と言わんばかりに額に手を当てる)」←可愛い!
でもそんな彼だからこそ、宗教観の違いを超えてか弱い少女を救おうとする行為の崇高さが際立つと言うものです。
真面目で、まっすぐで、予想通りと言えば予想通りな展開、それでもラストは号泣してしまいました…!
インド映画っていいですね!
そのうち「きっと、うまくいく」(ヒロイン役がこの映画と同じ人!)や「ロボット」なんかについても感想書きたいと思います。
それではまた!
「コマンドー」
みんな大好き、コマンドーです。言うまでもなく主演はシュワルツェネッガー。
特に吹き替え版が人気ですね。かく言う私もレンタルでは吹き替えが収録されていない事を知りDVDを買ってしまいました。
この吹き替えは本当に素晴らしいです。どちらかというと字幕派寄りな私もこれは認めざるを得ません。これにより生まれた名言の数々はあまりにも有名です。
「お前は最後に殺すと約束したな。あれは嘘だ」
「何が始まるんです?」ー「第三次大戦だ」
「野郎!ぶっ殺してやる!」
などなど、枚挙にいとまがありません。
もちろん内容もハチャメチャに面白いです。シンプルで骨太な脚本、テンポのいい展開、魅力的な悪役、そして何より絶え間なく湧いてくる疑問(「なんで飛行機から飛び降りて無傷なの?」「南京錠かかってたけどどうやって開けたの?」「電話ボックスって持ち上がるの?」)をことごとく強引に押しつぶすシュワルツェネッガーの筋肉!!!
映画を観る楽しみがギッチギチに詰め込まれた濃厚な92分間をぜひ、吹き替えで!
「バーバラと心の巨人」
マディソン・ウルフ主演。「死霊館 エンフィールド事件」にも出演していて、「かわいい」と話題になりましたね。私も好きです。名前もかっこいいし。
今回は、主人公であるバーバラが巨人に立ち向かうお話。森の中や海岸に独自に開発した「エサ」を設置したり、ロープや塗料をつかった罠をしかけたり。「守護霊への敬意」を示すウサ耳と、いざというときのために強力な武器が封印されているポシェットを肌身離さず持ち歩いたりします。
しかしタイトルからもわかるように(というかタイトルからわかってしまうのは如何なものか。原題の「I KILL GIANTS」の方が絶対にいいと思うんだけどなぁ)、ここで語られる「巨人」はある種の暗喩です。
バーバラは人間なら誰もが直面する「ある事」を打ち負かすため(あるいは逃れるため)に巨人と戦っているのです。
そのストーリーの描き方が実に上手い。伏線の張り方や回収の仕方がさりげなくも効果的で、最後まで観るとバーバラの行動や発言に対する見方がガラッと変わります。泣けます。泣きました。
おそらくもっと大人になるか、それこそ結婚して親になったりでもすれば見方は逆になるのでしょうが、そこはまだまだ思春期(自称)の私のこと、心配する大人たちよりむしろ中二病的な行動を繰り返すバーバラの方にガンガン感情移入して観ていました。
いつか大人になったらまた繰り返し観たい名作でした。
ただ、タイトルは絶対原題の方がいいと思います。観る前から解釈の幅を限定してどうしようというのか…!
「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」
長いタイトルですね!観に行って来ましたよ。
阿部サダヲが好きなもので。
出来は、う〜〜〜ん、全体としてはなんてことない映画でしたが、細部はわりとこだわって作られていて好感がもてました。
冒頭の声帯ドーピングのシーンはジャンクな格好良さに溢れていましたし、
途中でパンクバンドと揉めるシーンでパンクバンドのボーカルがお笑い芸人のあの人であったり、
エンディングで登場人物のその後がさらっと語られるのですがそこでもうひと笑いさせられたり。
全体で言えば脚本、演出、映像、どれをとっても中途半端さが目立って印象に残る出来ではありませんでしたが、小ネタが豊富で退屈する程ではないと行ったところ。
1番好きだったセリフは「おれ、一度でいいから人を匿ってみたかったんだよね」です笑
あと、阿部サダヲ扮するボーカル「シン=SIN」ってカッコいい名前ですよね!笑笑
「クワイエット・プレイス」
久々に映画館へ行き、クワイエット・プレイスを観てきました!
結構期待して観に行ったのですが、期待を裏切らない出来でした。
キャッチコピーは「音を立てたら、即死」。
おそらく隕石とともに地球に飛来した、盲目である代わりに聴覚が異常に発達した外来生物がそこら中に蔓延した世界で、生き残った人々は気づかれないよう極力音を立てずに生活しています。言葉によるコミュニケーションをとることは不可能。登場人物たちは手話で会話をし、足音を消すために柔らかい砂を地面に引いてそっと歩きます。
特筆すべきはとにかくその緊張感です。役者の表情や仕草や演出のうまさが相まって、観ているこちはも思わず息を殺してしまいます。驚かせてくるシーンも、静かな静かな場面からいきなりドーンと来る上、驚いても声を上げてはいけない気持ちになっているので尚更心臓がバクバクなります。
宇宙生物のデザインも個人的にかなり興奮しました。異常に長く強さと俊敏さを感じさせる手足、ヴェノムそっくり(笑)の顔、硬そうな皮膚、よく聞こえそうな耳。前半ではあまりはっきりと描かれないだけに想像が掻き立てられ更にワクワク感を煽ります。
正直に言うと脚本には突っ込みどころが多々あり、弱点と言えばその辺りでしょうか。
それでも、その辺は深く考えず、自分もあの世界の住人になったつもりで音を立てないようにしつつ観るとめちゃくちゃ楽しめます。
是非、映画館で。家族や友人と家で観るときにはみんなで静かに観ましょう。
「ホステル2」
2007年のアメリカ映画。お金持ちが娯楽として殺人と拷問を楽しむ秘密クラブを舞台にしたサスペンスホラー「ホステル」の2作目です。
もちろん前作も事前に観たのですが、個人的には2の方が数段面白かったので2の感想を書きます。
観たことのない方のためにざっくりあらすじを説明すると、
「旅行者の主人公たちが、プラハに『あらゆる快楽を提供してくれるクラブ』あると聞き快楽を求めて(2では主人公が女性たちだからか、温泉を求めて)行ってみると、そこは実は旅行者を捕まえてオークションにかけ、競り落とした会員が殺人や拷問を楽しむためのクラブだった…」
という感じのお話です。
2が面白かったのは、1に比べクラブ会員、つまり「人間を買って殺す側」の視点がふんだんに描かれていたからだと思います。
まず、オークションのシーンが面白い。
獲物である旅行者が捕まると、写真や年齢、性別や国籍などがネットアップされ、オークションが始まります。このオークションに参加する面々の多彩なこと!もちろんお金持ちであると言う共通点こそあれ、老若男女様々な会員が存在します。
オークションが始まると、仕事やゴルフや家族サービスの合間にパソコンやケータイをカチカチっと操作して競りに参加。どうでしょう、この日常感!
あなたと食事やゲームなどを一緒に楽しんでいる家族や友人が、「あ、ちょっと失礼」と言ってスマホをいじっているとき、殺すために人を買っているとしたら…!考えただけでも恐ろしく、不謹慎にも少しワクワクします。
また、このクラブに参加し、人を殺す動機も人それぞれです。
「おいしい人肉を食べたいから」
「処女の血を浴びて若さを保ちたいから」
「人殺しの経験をして自信をつけたいから」
「ただ殺してみたいから」
「悪友に舐められたくないから」
などなど。
割と普通に生きている人々が、割と普通に分かりやすい理由で、割と普通に買い物をするような気軽さで人を殺す。
これは、ジェイソンやフレディやレザーフェイスなど異常で異様な殺人鬼による殺人などよりよほど恐ろしいではありませんか!
私はこういった、「普通の(あるいは、そう見える)人間が普通に一番怖い」というタイプの恐怖が大好物なのです。
「ホステル2」はそういったものを感じさせてくれる映画でしたし、話の筋もなかなか起伏があって面白いので、おススメです。
あ!でも、そこは題材が題材ですので、「グロい」「痛い」描写が多めですので苦手な方はきついかもしれません(^_^;)
「そういうの大好き!」という同志には尚更おススメ!
「エルム街の悪夢」
"1、2、フレディがやって来る
3、4、ドアに鍵をかけて
5、6、十字架を握りしめて
7、8、しっかり目を覚まして
9、10、眠りにおちないように"
はい、というわけで今回はご存知「エルム街の悪夢」です。
「死霊館のシスター」以来、いいホラー映画との出会いがないなー、ということで1つの原点回帰として観てみたのですが、やはり超絶好みの映画でした。
まず前提としての世界観がまずたまりません。なぜか80年代のアメリカの風景や、人々のダサかっこいい髪型やファッションが醸し出す雰囲気がとても好きなのです。
登場人物たちも良いです。いかにもホラー映画のキャラクターといった雰囲気。どうしてホラー映画に出てくる女優は、さして有名でも美人でもなくてもこんなにエロいのでしょうか。(まあ、主人公のナンシーは普通に美人でしたが)
そしてやはり!フレディことフレッド・クルーガー!!奴は最高です!!!
映画そのものは観てなくても設定は知っている方も多いとは思いますが、フレディは夢の中に登場する殺人鬼です。それも単なる悪夢を見せるだけでなく、夢の中でフレディに怪我を負わされたり殺されたりすると現実の肉体に反映されます。
しかも、夢の中でどれだけ傷を負っても叫んでも、眼が覚めることはありません。逃れる方法は現実の肉体がフレディによるもの以外のなんらかの刺激で目覚めることだけ。
しかも夢の中での出来事、さらには物理法則までもがフレディの思うがまま!!夢の中でのフレディは無敵なのです。
(「ジョジョの奇妙な冒険」を読んだことのある人なら早い話、「デスサーティーン」の能力がほぼまんまです笑)
フレディのいいところは、この凄まじい能力を「対象を恐怖のどん底に陥れて殺す」というただ一点のために使うところです。そのための工夫や努力を全く怠りません。この映画の幕開けは、フレディが右手の人差し指から小指までに一本ずつ計4本のナイフがついた特製のグローブを手作りするシーンから始まります。笑
フレディは演出もしっかりこなします。相手を恐がらせるため、意表をつくような登場をかますのはもちろん、鉤爪で不快なキーキー音をわざと出したり、自ら自分の指を切り落として緑色の気色悪い体液を飛び散らせたり、自分の腹を裂いて蛆虫のたかる内臓を見せつけたりと、工夫を凝らします。それも最高に楽しそうに!
私は魅力的な悪役が大好物なので、終始フレディを応援していましたが、もちろん主人公サイドを応援するタイプの人でも楽しめる熱いバトルが展開されます。
いいキャラクターとの出会いは映画に限らず物語に触れることの醍醐味です。
これは続編も観なくては…!楽しみ!!