「第三の男」
名作中の名作、あらゆるオールタイムベストに必ずと言っていいほど入る一本。
とはいえ、捻くれた性格のおれのこと、いわゆる「鉄板」を避けがちゆえ観る機会が今までなかった。
そして感想はというと…
めっちゃかっこいい!!
まず音楽!サントラあるかな!?探そう!
映像!暗くて荒くて観づらい箇所もあったけど、クライマックスの下水道の真っ白なトンネルに人影がくっきり浮かんだカットとか鳥肌モノ。
ハリー!悪役!ひどいやつだ!だけど開き直っているような態度がおれ好みだし、例の有名なセリフもシニカルでよい。初顔出しシーンの「きまり悪そうな笑顔」はまるでお手本のような「きまり悪そうな笑顔」。ホリーと見つめ合うシーンも良かったなぁ。
唯一ピンとこなかったのは、ヒロインが馬鹿すぎる(と言って言い過ぎなら、頑固すぎる)ところだろうか。ホリーを「裏切り者」呼ばわりするけれど、親友であろうが(あるいはむしろだからこそ)罪を犯したら罰を受けさせるべきであろうし、その上恋人まで助かるとなれば、そこまで攻められる決断かなぁ…!
しかしこの頑固さが、最高にかっこいいラストシーンを産んだわけだし、
もっと言えば「正義を遂行したはずの主人公に何の救いもない」というこれまたおれ好みの結末に持っていったことは評価すべきであろう。よくやった。お前のことは嫌いだが、よくやった(何様?)。
いや、予想以上の満足感だった。
やはり名作と言われる作品には一通り目を通すべきだなぁ。