「ちいさな英雄−カニとタマゴと透明人間−
スタジオポノックの短編映画三本だて。
幼いカニの兄妹、卵アレルギーの少年、透明人間、がそれぞれ主人公の三本の短編映画をまとめたものです。
それぞれ演出の工夫が多くあり、映像を眺めているだけでも結構楽しい気持ちになれます。
物語としては、特に透明人間の話が良かったです。「いろんなタイプの透明人間があるけど、こいつはどういった透明人間なんだろう?」と考えながら観ていたのですが、直接的なセリフではなく他の登場人物のちょっとした仕草や伏線をうまく使って説明しており、中々楽しめました。盲目の老人の「わしにはお前さんの姿がはっきり見える」というセリフには痺れました。
ただ全体の評価としては、まあイマイチかな、といった感じです。
3本とも面白くなりそうな予感はあるのですが、どれも普通の尺の映画の冒頭を切り取ったようで、予感だけで終わってしまってる感があります。
短編であっても、むしろ短編であるからこそ、余白を想像させたり余韻を残すような物語であってほしいものです。