第三男の映画備忘録

映画の感想ブログです。映画館で観た作品の感想、円盤でみた作品の感想、たまたま観たことを思い出した作品の感想など、かなり節操がありません。しかもネタバレ等一切気にせずに書いているので苦手な方はご注意くださいm(__)m

「ペーパー・ムーン」

区切りのいい10本目の記事ということで、この一本。

 

個人的なオールタイムベストに間違いなくランクインする作品です。

 

元々は、私が一番好きなバンドであるthe pillowsのライブDVDで、ボーカルの山中さわおが「久しぶりに観たけどやっぱり面白い」と言っていたのを聞いて興味を持ち、「ガキ使」の企画で松本人志も「一番好きな映画」に挙げていたのでいよいよ、ということでレンタル。

 

えー、なんと言うべきでしょう、とにかく、めちゃめちゃ好きです。

 

まず主人公の職業がいい。一言で言えば「嘘をついて高額な聖書を売りつける詐欺師」です。現代であれば確実に消費生活センターに目をつけられるやつですな。

でもその騙し方がなんとも心温まるというか、「こういう詐欺なら騙されてみたいな」と思えます。

 

そして主人公の相棒となる女の子。まだティーンエイジャーにもならないのにタバコを吸い、ときに主人公を超えるペテンの才能を垣間見せる早熟な子です。

これまたいい。環境ゆえに「大人にならざるを得なかった」子供が、信頼できる(?)大人である主人公に対し対等な付き合いを要求しながらも心を開いていく。

 

また主人公も決して生きるのが上手いタイプではなく、ときにこの少女に救われ、励まされ、2人は親子とももちろん男女の仲とも違う、不思議な関係を築いていきます。

 

利になるとなればなんでも利用する詐欺師と、いわゆる「不良少女」、こんなアウトローな2人であるるからこそ出せる空気感、信頼感、それらがとても心地よく、個人的にとても癒されました。

 

オススメの一本です。